読書亡羊

気ままに読書、気ままな読書日記

Bob Dylanがノーベル文学賞を受賞した意義

 昨日13日、驚くべきnewsが飛び込んできた。

ノーベル文学賞Bob Dylanの受賞が決まった―――

 Newsのhead lineで、最初、この記事の題を見た時、またネタ記事かと一瞬疑ってしまった。

 Bob Dlyanにノーベル文学賞を!というのは、fanの間では、もう何十年も前から言われてたことだ。FanがBob Dylanの詩のすばらしさを力説する際も、よく、彼の詩はノーベル文学賞に匹敵するほどのものだ、ということもよく言われたことだ。「ノーベル賞に値する」というのは、彼のwriting senseを褒めた称える際の枕詞みたいなものだった。

 ところが、ここ数年、ほんとにBob Dylanノーベル文学賞にノミネートされているんではないか、という噂がいくつかあった。

 しかし、ノーベル賞のノミネート者は、公表されない。またfanが勝手な憶測で、適当なこと言ってるな、ぐらいにしか受け止めていなかった。

 いまさら、Bob Dylanノーベル賞など与えなくたって、彼の歌詞は、今までで十分評価されているものだし、彼の作詞の才能は誰もが認めているものだ。
 Bob Dlyanにノーベル賞は、不必要だし、そもそも、彼はsingerであって、文学者ではない。

 なので、Bob Dylanノーベル賞を、という話題を聞く度に、nonsenseなことをいってるなと思っていた。

 それがだ!

 ホントに取ってしまった。

 確かに、文学というものを狭く捉えないで、言葉による芸術と考えれば、popular songの歌詞も文学と呼べるのかもしれない。

 そういえば、学生の頃、Bob Dylanの曲を聞いて、その意味が知りたくて、対訳と辞書片手に一生懸命、歌詞を読んでいたな。やたらと難しかった思い出がある。

 BeatlesBilly JoelCarpentersの曲も好きで、よく自分で訳しながら、歌詞を読んでいた。Billy JoelCarpentersの曲は、読めば素直に理解できる分かりやすいものが多かった。Beatlesの歌詞は、単純で覚えやすかった。Rolling Stonesは、slangが多すぎて分かりづらい印象があった。
 しかし、The BandとBob Dylanの歌詞には、本当に苦労させられた。やたらと謎めいた言葉が出てくる。調べると、聖書や文学作品に由来する言葉だったりする。彼らの歌詞を理解するためには、キリスト教を含めた西欧文化一般に対する広い知識が必要なんだなと実感した。

 ずいぶん前の記事で、Bob DylanはアメリカのRock Musicに大きな歴史的な転換をもたらした人物だが、彼の曲は、歌詞の方により革命的な意義がある、ということを書いたが、まさか、ノーベル賞ほどの意義があるとまでは考えていなかった。


 一般的には、初期の反戦平和を唄った「風に吹かれて」などのprotest songが、受賞理由として受け止められているのかもしれない。
 しかし、個人的には、その後のRock三部作と言われた「Bringing It All Back Home」「Highway 61 Revisited」「Blonde On Blonde」の方が歌詞としては革命的だったと思う。特にHighway 61 Revisitedの歌詞を読んだときの衝撃は忘れられない。これ、ホントにrockなのか?とそう思ったのを覚えている。

 Bob Dylanノーベル賞―――

 いまだに、この事実をどう受け止めていいのか、自分の頭の中で整理できないでいる。素直に喜べばいいのだろうが、その一方で何か違和感のようなものもある。

 ノーベル文学賞は、もうすでに評価の定まっているような人物を選ぶよりも、芸術的価値の高い作品を書きながらも、世間からはほとんど注目されず、商業的成功とは無縁になってしまっているような人物に与えたほうがいいように感じる。そういった人物に脚光を浴びる機会を与えてやるべきではないかと思うのだ。(なので、村上なんとかとかいう奴に与えるなんてもってのほかだと思う。)

 ともかく、喜ばしい事実であることに変わりはない。
 今回の受賞で、初期の作品ばかり注目されているが、Bob Dylanは、70を越えた今でも精力的に新譜を発表している。最近の作品でもすばらしいものは多い。
 比較的最近のalbumでは、「Modern Times」「Togerther Through Life」「Tempest」などが個人的には好きだ。

 今回の受賞には、さまざまな見方があるだろうが、ともかく文学の意味が大きく広がったのは確かだろう。

The Freewheelin' Bob Dylan

The Freewheelin' Bob Dylan