読書亡羊

気ままに読書、気ままな読書日記

自炊代行は違法か? - 一読書家の視点から

f:id:hobo07:20170517021834j:plain

*自炊代行業をめぐる裁判
 書籍を裁断し、それをスキャナーで取り込んで電子化することを「自炊」という。
 しかし、この自炊、途方もなく面倒で時間のかかる行為だ。なので、それを代行してくれる業者がある。

 だが、自炊代行で調べていると、裁判関連の記事をよく見つける。電子書籍がこれだけ一般化した今においても、出版業界や一部の作家が電子化や自炊代行行為に反対しているようだ。

 しかし、電子化はもう時代の流れだろう。いまさら逆行はできない。アメリカではすでに電子書籍の売り上げが紙の本の売り上げを上回っている。出版業界や作家は紙媒体の書籍と電子書籍が共存できる方法を模索する方が先のように思う。

 ところが、自炊代行業者に賠償命令が出された判決が去年、知財高裁で下りたようだ。


書籍の自炊代行業者に対する作家7人の訴訟、控訴審でも作家側勝訴 -INTERNET Watch


*自炊代行を防ぐ最善の方法
 作家や出版社は、訴訟を起こすことで、自炊代行を防ごうとしているようだが、これはいたちごっこになっていく可能性の方が高いように思う。

 それよりも、出版社は、紙媒体の書籍を出版すると同時に、電子書籍版も発売すれば、電子書籍には、コピーコントロールがかかって購入者のアカウントでしか読めなくなる。結局、自炊された電子書籍の流布を防ぐ一番の方法は、出版社自らが電子書籍を積極的に出版していくことだろう。

 特に電子書籍は、限界費用が限りなくゼロだ。流通コストも在庫リスクもない。本来ならもっと廉価で販売できるものだ。価格の安い電子書籍が増えれば、自炊代行業者に依頼する人は、必然的に減るはずだ。

 現在の一般的な電子書籍の価格では、本をBookoffで100円で買ってきて、それを自炊代行業者に頼んだほうがよっぽど安く電子書籍を手にすることができる。これでは、自炊代行業者へ依頼する人が増えるのは仕方がないだろう。

 結局、自炊代行を防ぐためには、出版社自ら低価格の電子書籍を増やしていくしかないのだ。つまり、これは出版社自身の問題だ。

 遅かれ早かれ電子化は確実に進展する。電子化の流れに反対するのは、もはや時代錯誤でしかない。

 電子化を本当に望んでいるのは、蔵書の置き場に苦労するような本当の意味での読書家なのだ。自炊や自炊代行業者に対して反対することは、多くの読書家を敵に回すことになると、彼らは気が付かないのだろうか。BOOKSCANよ、がんばれ!

www.bookscan.co.jp

*いち早い法的和解へ
 ちなみに今回の裁判を起こした作家は以下の面々だ。
 浅田次郎氏、大沢在昌氏、永井豪氏、林真理子氏、東野圭吾氏、弘兼憲史氏、武論尊氏の7人。まぁ私はこの人たちの作品なんて全く読まないから、彼らの作品が自炊代行できなくても何も問題ないのだけれど。ただ、他の作家の作品まで禁止するようなことはホント、はた迷惑だからやめてほしい。

 自炊行為自体は法的に問題ないということらしいが、自炊代行についてはまだ法的に不明確な部分が多いらしい。早く法的にも問題ないようになってほしいと思う。自薦他薦問いません、みたいに、自炊他炊問いません、っていう風に早くなってもらいたい。

広告