読書亡羊

気ままに読書、気ままな読書日記

上念司『国土と安全は経済(カネ)で買える』 (2014)

日本は、積極的に支那と戦争をする必要はありません。ひたすらアベノミクスで経済力を強化しつつ、支那を取り囲む国々と経済的な連携を強め、「静謐を保つ」ことに専念すればいいのです。放っておけば支那経済は自壊します。 国防のための戦略には、大きく分…

斎藤兆史『英語達人塾』 (2003)

巷に溢れる大量の安易な英語学習本に背を向け、本気で英語を習得しようという人に向けた本。 本書が目指すところは、ひじょーに次元が高い。 「Native English speakers並みを目指す!」 。。。というのではない。 Native speaker以上を目指す!というのだ。…

Soundscape - 音という風景

Soundscape ecology It focuses on the study of the effects of the acoustic environment on the physical and behavioral characteristics of those organisms living within it. It has occasionally been used interchangeably with the term, acoustic…

阿部謹也『刑吏の社会史』 (1978)

*社会史とは何か 社会史とは何を対象にした歴史なのだろう? 歴史学の中でも政治史、経済史、法制度史、美術史、建築史といったものは、対象がはっきりしているので分かりやすい。しかし、社会史と言われると何をする学問なのか途端に分からなくなる。 この…

阿部謹也『ハーメルンの笛吹き男』 (1974)

*人々を解釈へといざなう民話 洋の東西を問わず民話は、単純な起承転結の物語になれている現代人にとって、非常に理解しにくいものが多い。 動物譚や英雄譚など子供が喜びそうな題材を扱っていながら、内容の意図がまったくつかめないため、なぜか読後に不…

Bob Dylan - Highway 61 Revisited (1965)

Having until then recorded mostly acoustic music, Dylan used rock musicians as his backing band on every track of the album, except for the closing 11-minute ballad, "Desolation Row". Critics have focused on the innovative way in which Dyl…

Bob Dylan - Bringing It All Back Home (1965)

The album is divided into an electric and an acoustic side, although the acoustic side included some tracks in which other instruments were backing up Dylan and his guitar, but no drums were used. On side one of the original LP, Dylan is b…

孫崎享『不愉快な現実』 (2012)

*世界最大の経済大国となった中国 2012年刊行。 中国は今後10年以内に、経済、軍事の両面でアメリカと肩を並べる大国になる――― これは、誰もが予想していながら、多くの人が目を背けている現実だろう。だが、その現実は予想よりも早く訪れている。2012年に…

孫崎享『日米同盟の正体』 (2009)

2009年刊行。 2015年9月、安保関連法制が成立した。この安保法制によって、従来の専守防衛という憲法解釈が大きく変更され、集団的自衛権を認めることになった。そして、安全保障に関して日米の一体化をより進める結果となった。 アメリカの安全保障に関する…

Hobo

ホーボー(Hobo)は、アメリカで19世紀の終わりから20世紀初頭の世界的な不景気の時代、土地から土地へ働きながら渡り歩いた渡り鳥労働者のこと。Hobo - Wikipedia アメリカの鉄道建設は、1850年代から始まって、はやくも1869年には大陸横断鉄道が開通する。…

渡邊二郎・西尾幹二編『ニーチェを知る事典』 (2013)

1980年に刊行された書籍の文庫化。 文庫本で800ページ近くある(文字通り)大著。ニーチェの専門家に限らず、多様な分野の研究者ら50人以上の執筆陣が、さまざまな面からニーチェ像を浮かび上がらせている。 やたらと分厚い本だが、各記事は非常に短く、主題…

Friedrich Nietzsche『喜ばしき知恵』 (1882)

来るべき勝利が、いや、かならずや訪れる、ことによるとすでに到来しているかもしれない勝利が……。およそ予想外のことが起こったかのように、感謝の念がそこここに溢れ出ている。快癒した者の感謝の念が――。 ニーチェは『喜ばしき知恵』の冒頭の一節で、快癒…

Friedrich Nietzsche『ツァラトゥストラ』 (1885)

*Reader's High なんだかめまいの様な、頭がくらくらする感じだ。ニーチェのツァラトゥストラをようやく読み終えた。 これだけ意味不明で脈略のない文章を文庫本上下巻で永遠と読まされ続ければ、誰だってそりゃ、幻惑のようなくらくらした感覚を覚える。そ…

石井陽一『「帝国アメリカ」に近すぎた国々 ラテンアメリカと日本』 (2009)

哀れメキシコよ。アメリカにあまりにも近く、天国からあまりにも遠い。 *新自由主義の実験場となったラテンアメリカ 2009年の著作。 2008年9月のリーマンショックを経て、オバマ政権が誕生し、新自由主義への見直しが盛んに議論されていた頃の作品。 新自由…

櫻田大造『対米交渉のすごい国』 (2009)

*小国の対米戦略 2009年刊行。 カナダ、メキシコ、ニュージーランドのような小国が、いかにして独自の対米交渉を展開したかを検証した本。 著者はこの三国の外交政策の事例から、対米交渉の際の鉄則を導き出そうとしている。21の鉄則を取り上げているが、そ…

Emmanuel Todd『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』 (2015)

自由貿易は諸国民間の穏やかな商取引であるかのように語られますが、実際にはすべての国のすべての国に対する経済戦争の布告なのです。自由貿易はあのジャングル状態、今ヨーロッパを破壊しつつある力関係を生み出します。そして、国々をそれぞれの経済状況…

門倉貴史『中国経済の正体』 (2010)

*リーマンショック後も堅調な中国経済 2010年刊行。 中国がGDPで日本を抜く直前の経済状況を解説している。 2008年のリーマンショック後、世界で信用縮小が進むなか、中国金融はリスクの高いサブプライムローンを避けていたため、その影響をあまり受けなか…

加賀野井秀一『日本語を叱る!』 (2006)

タコツボ化する日本語 2006年刊行。 前作『日本語の復権』と同じく、「甘やかされた日本語」に喝を入れ、日本語の表現能力を鍛え直そうというもの。前作よりも読みやすく、論旨も掴みやすくなった。 日本人は、相手の察する能力に依存して、表現を短縮したり…

加賀野井秀一『日本語の復権』 (1999)

表現能力が衰退し、形骸化する日本語 1999年刊行。 日本語から見る日本人論。日本語による表現は、極度に相手の察する能力に依存していて、話者の表現能力の衰退を招いている。その結果、言葉が形骸化し、内実を失った表現が巷に氾濫するようになった。街路…

入不二基義『相対主義の極北』 (2001)

*相対主義の自己適用化 2001年の著作。 相対主義は相対性そのものを真理として主張する。そのため自己論駁に陥る。本書はこの自己論駁を内在的に極限まで問い詰めた先にどのような思考が立ち現れてくるかを思索したもの。 まず第1章で、相対主義の考え方を…

佐伯啓思『自由とは何か』 (2004)

2004年刊行。 自由という身近でありふれた概念をその思想的な根拠から問い直している。今の日本であまりにも当然のものになりすぎて、切実感の失われた自由というものに対して、いかにその意味を問い直すかが本書の主題だ。*自由の歴史的背景 著者はまず自…

Isaac Asimov『生物学の歴史』 (1964)

*生物学者としてのアシモフ アシモフといえば、SF作家として有名だが、同時にボストン大学医学部の生化学の教授でもあった(教鞭は執っていなかったようだが)。 一般向けの科学書(いわゆる、アメリカでよく言うpopular science)を多数執筆していて、本書…

Chris Guillebeau『1万円起業』 (2012)

*起業することに資金は要らない 原書は2012年の出版。 以前紹介した身の丈起業に近い考え方で、起業をもっと身近なものとして捉えようという本。 従来、起業するといえば、資金を集めて、登記などの手続きをし、人を雇って、開業し、その上で大きなリスクを…

古谷経衡『若者は本当に右傾化しているのか』 (2014)

*統計から見る若者の右傾化 13年末に公開された『永遠の0』のヒットや14年2月の都知事選で田母神候補が20代有権者の24%の得票率を獲得したことなどから若者の右傾化論が取り立たされているが、こうした議論は統計的な何の裏づけもなく信頼できないものが多…

安田浩一『ネットと愛国』 (2012)

「あの人たちだって、楽しくてしかたないって人生を送ってるわけじゃないんだろ?そりゃあ腹も立つけど、なんだか痛々しくて、少なくとも幸せそうに見えないなあ」 在特会という過激なレイシスト集団がネット上で話題を集めだしたのは、2007年か8年頃だった…

津田大介『ウェブで政治を動かす!』 (2012)

*若者の選挙離れ 2012年刊行。 本書の冒頭で結構衝撃的な数字が出てくる。曰く、国政選挙の投票率は、この10年近く、20代の投票率が40%を切っている。一方70才を超える人々の投票率は80%近くを維持している。2009年の第45回総選挙における投票者の年齢は…

John Stuart Mill『自由論』 (1859)

自由とは常に矛盾に満ちた概念だ。特に政治という領域、つまり、社会的な意思決定を行う場では、自由は政治と鋭く対立する。 この政治と自由をめぐる議論に一つの解答を試みたのが、ジョン・ステュアート・ミルの『自由論』だ。 自由主義の古典的名著であり…

渡邉正裕『10年後に食える仕事 食えない仕事』 (2012)

*グローバル化の時代だからこそ日本人としての特性を活かす 2012年刊行。 グローバル化が進展する中で、日本の労働環境がどう変化していくかを考察している。10年という比較的近い将来のことを考える上では、非常に示唆に富む内容になっている。 著者は、「…

城繁幸『7割は課長にさえなれません』 (2010)

*一人ひとりの具体的な姿から浮かび上がる労働問題 2010年刊行。 著者は、日本の労働問題、格差問題の根本的な原因が、年功序列型の日本の雇用慣行にあることを指摘して、一躍話題となった城繁幸氏。 ・関連記事 www.dokushoboyo.com 日本の経済成長力が鈍…

羽場久美子『拡大ヨーロッパの挑戦 増補版』 (2014)

*東西ヨーロッパの統合 2014年刊行。2004年の著作の増補版。 EUは、2004年に中東欧10カ国の加盟を承認した。一度の承認としては過去最大で、大規模拡大となった。これらの国々は、かつての東ローマ帝国領であり、文化的にはギリシャ正教、スラブ文化の色合…