読書亡羊

気ままに読書、気ままな読書日記

勤労奉身

今野晴貴『生活保護 知られざる恐怖の現場』 (2013)

*生活保護に対するバッシング 平均賃金が下がり続けるなか、社会保険料は上がり続けていて、ますます労働者の負担は重たくなっている。もう私の生活なんてカツカツだ。 劣悪な労働条件で働く人が増え続けているなか、労働者の不満は、経営者や政治家よりも…

熊谷徹『ドイツ人はなぜ、1年に150日休んでも仕事が回るのか』 (2015)

*極めて低い日本の労働生産性 2015年刊行。 2015年の一人当たりGDPでは、日本は26位。27位のイタリアに何とか競り勝った形だ。失業率12.4%(2015年4月)で、何よりも家庭と私生活を優先し、南欧の温暖な気候のなかで、シエスタとかいいながら仕事しないで休…

竹信三恵子『ルポ賃金差別』 (2012)

2012年刊行。 総務省統計局が2016年5月に発表した2016年1月から3月期の労働力調査によると、非正規雇用者数は、全体の37.1%で2007万人、女性だけで見た場合は、53.6%にもおよび、1364万人になる。 正規の職がないために非正規雇用に甘んじる人の割合も27%…

日本の賃金を考える

竹内裕『日本の賃金』 (2008) 【残念な本】「企業の正社員」という枠の中での議論 90年代半ば以降、国際競争の激化に伴って、日本企業の収益は悪化し、各企業は賃金体系の見直しを迫られるようになった。終身雇用は崩れて、成果主義が取り入れられるようにな…

渡邉正裕『10年後に食える仕事 食えない仕事』 (2012)

*グローバル化の時代だからこそ日本人としての特性を活かす 2012年刊行。 グローバル化が進展する中で、日本の労働環境がどう変化していくかを考察している。10年という比較的近い将来のことを考える上では、非常に示唆に富む内容になっている。 著者は、「…

城繁幸『7割は課長にさえなれません』 (2010)

*一人ひとりの具体的な姿から浮かび上がる労働問題 2010年刊行。 著者は、日本の労働問題、格差問題の根本的な原因が、年功序列型の日本の雇用慣行にあることを指摘して、一躍話題となった城繁幸氏。 ・関連記事 www.dokushoboyo.com 日本の経済成長力が鈍…

シューカツっておかしいと感じたときに読む本

大沢仁・石渡嶺司『就活のバカヤロー ~企業・大学・学生が演じる茶番劇~』 (2008) *面白いが建設的な話は何もない 企業は職業経験のない学生を評価しようとするから、学歴しか判断材料がなくなる。学生は職業経験がない中で、自己PRを行わなくてはならな…

年功序列を考えるための読書案内

城繁幸『若者はなぜ3年で辞めるのか?』 (2006) *世界でも極めて特異な日本の企業体質 新規大卒入社で3年以内に会社を辞める社員の割合は、厚生省の発表では2000年度で36.5%、1992年度が23%なので90年代の間に1.5倍に増えている。 「若者はなぜ3年で辞め…

山崎元『会社は2年で辞めていい』 (2007)

これから働き出す若い人たちへ デフレ経済が長引いて、日本の雇用を取り巻く環境は大きく様変わりした。今では終身雇用といったことを素朴に信じる人は誰もいなくなった。会社側も社員の全人生に責任を持てるはずもない。企業は常に経済合理的に行動するもの…

朝日新聞特別報道チーム『偽装請負』 (2007)

*企業の巧妙な脱法行為 2007年刊行。 偽装請負(委託)について朝日新聞が行った調査報道をまとめたもの。 日本では解雇要件が非常に厳しく、正社員の解雇や賃下げは実質的に不可能なため、雇用の調整弁として派遣が広く一般化してしまった。現在の派遣労働…

深夜営業は必要か?- すき屋の報道から考える

*深夜営業は必要か? 牛丼チェーン店すき屋を運営するゼンショーが、昨年度2014年の4月から12月期の連結決算が最終損益24億円の赤字になると発表した。昨年から、深夜の店舗運営を従業員一人ですべて行わせていたことが問題となっていたゼンショーだが、人…

横田増生『ユニクロ帝国の光と影』 (2013)

前回の記事で今野晴貴氏の『ブラック企業』を取り上げたが、その著書の中でなぜかユニ黒の名前だけが伏せられていた。名前が伏せられた理由は、出版元の文芸春秋社がすでに別の出版物において名誉毀損でユニ黒と係争関係にあるためのようだ。次のような記事…

今野晴貴『ブラック企業』 (2012)

*ブラック企業とは? 労働環境が著しく劣悪な会社…… そうした企業がネット上でブラック企業と呼ばれるようになったのは、2005年前後かららしい。2008年のリーマンショック以降からは、社会問題として徐々に認知され始めた。そして、このネットスラングとし…